無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
悔しい……。
わたしがこういう感情を抱くのは夏向の計算通り。
「最低……っ、わざと見せつけるような子供っぽいことしないで……っ」
「してないよ。勝手に来たのは冬花だって言ってんじゃん」
さっきから同じ会話の繰り返し。
結局、ここに足を運んでしまったわたしの意思の弱さが招いた結末。
夏向の性格はわたしが想像している以上に歪んでいた。
沸々と夏向と自分への怒りの感情と共に、なんともいえない苦しさに襲われ、瞳に涙がジワリとにじむ。
それに気づかれないよう、地面に落ちた紙袋を夏向の胸に思いっきり投げつけて。
「夏向なんて、大っ嫌い……っ」
自分の手で涙をぬぐい、
そう吐き捨てて、部屋を飛び出した。