無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
逆転
夏向とギクシャクしたまま、時間の流れはあっという間に過ぎていき、気づけば夏休み直前。
今までずっと夏向との間に起こった出来事を誰にも相談せずにいた。
樹里は無理やり聞いてくることはなく、何かあったことを察して、さりげなく心配はしてくれていた。
「わたしは何もしてあげられないけど、冬花が話してくれるまで無理には聞かないから」と、樹里らしい言葉をかけてくれた。
そして今ようやく。
ずっと相談できなかったことを樹里に打ち明けた放課後。
2人で誰もいない教室に残り椅子に座ったまま、わたしは夏向に当てつけのようにされた、あの日の出来事を話した。
すると、全て聞き終えた樹里から盛大なため息が送られてきた。
「木咲くんってほんとやることクズだし、ガキだよね」
なんの遠慮もなく、キッパリ言われてしまった。