無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。

わたしと夏向の関係は、どこで踏み外してしまったんだろう。


真っ直ぐに相手を想う気持ちさえあれば、こんなことにはならなかったはずなのに。



「どっちも頑固だし、ひねくれてるし、これじゃ救いようがないわ」


ついに樹里にも見捨てられてしまう。
呆れた声が胸にグッと刺さる。



「言っとくけど、わたしがこれだけ強く言うのは、冬花にこれ以上傷ついて欲しくないから」


「…………」



「自分をもっと大切にしなさい。んで、抱えきれなくなったらすぐわたしに相談すること。今回の件も報告遅すぎだし」


「樹里優しすぎるよぉ……っ」



普段冷たくて、毒ばかり吐くくせに、こういう時だけわたしをしっかり優しさで包み込んでくれる。


なんだかんだ、こんなわたしに優しくしてくれるのは樹里しかいない。



「そんな泣きそうな声出さないの」

「うぇ……だって、樹里が優しいから」