無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
その直後、先輩がいつもかけているメガネをスッと外した。
メガネをとっただけなのに、たったそれだけなのに、いつもと違う佑都先輩を見ているような気がして、胸がざわざわと騒がしくなる。
おかしい……先輩相手にこんなドキドキするなんて。
「なんかさー、冬花ちゃんの泣き顔って危ないんだよね」
「へ……っ?」
「潤んだ瞳に、顔真っ赤にして、こんな可愛いの見せられたら、理性が揺らぐ」
わたしの頬にそっと佑都先輩の手が触れる。
「今すぐにでも俺のものにしたいくらい、
危険な顔してるよ」
いつもと違う、余裕のない先輩の表情のほうがもっと危険。
「木咲くんなんてやめて、俺を選んだらいいのに」
これが冗談なのか、本気なのか、
わかるのは、もう少し先のこと。