無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
わたしの部屋の前に来て扉をガチャッと開けて、中に入ると、後について入った樹里がいきなり大声をあげた。
「いや、さむっ!!あんた冷房の設定温度いくつにしてるのよ!?」
「え、21度だけど」
「はぁ!?バカでしょ!!感覚麻痺ってる!」
ブルブルと寒そうに震えている樹里に対して、わたしはこの温度がちょうどいいように感じる。
「まさか毎日こんな部屋でダラダラ過ごしてるんじゃないでしょうね?」
「す、過ごしております……」
「うわ、ありえない。
ふつう冷房の温度は27度とかだから」
樹里が冷房のリモコンを手に取り、温度を上げる。
そして、わたしの部屋をキョロキョロ見渡して、ゴミ箱の中を見ながら。
「スナック菓子とアイスのゴミばっかり。
不健康すぎるにも程があるでしょ」
「いや、なんか動かないからお腹空かなくて」