無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
かすれた声とともに、せっかく離れたのに腕をつかまれて、再び夏向の腕の中に戻されてしまった。
今の夏向は何も着ていない状態に等しくて、素肌が触れ合って、お互いの体温を直に感じる。
「か、かなた……?起きてたの……?」
「……んー、寝てたけど冬花が俺から離れたから目覚めた」
こういうことを平気で言ってくるのは計算なのか、それとも天然なのか。
どちらにしても、わたしをドキドキさせるには充分だ。
「わたし学校あるから……。だからもう準備しないといけな……」
「俺が冬花から離れたくないって言っても?」
ほんとに、夏向のずるさっていうのは底が尽きない。
それにまんまとはまってしまうわたしもどうかしている。
「そ、そんなわがまま言わな——」
「冬花にしかわがまま言わない」
「っ……」