無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
目があって、心臓が一度だけドクッと大きく飛び跳ねた。
「……起きたんだ」
久しぶりに見た夏向の姿、
久しぶりに聞いた夏向の声、
久しぶりに触れる夏向の甘い体温。
ぜんぶが恋しくて……。
見つめられると、その瞳に吸い込まれそうになる。
「なん……で、ここに……」
わたしがこんな状態になっていることは、
知らないはずなのに。
連絡したのは、たったのワンコールだけ。
要件だって何も言っていないのに。
「電話かかってきたから」
「す、すぐに切った……じゃん」
「すぐに切ったから、なんかあったのかと思った」
「っ……」
たったそれだけで、わたしの異変に気づいて駆けつけてくれる優しさを見せるなんて……。
ほんとに、ずるい人……。
「案の定、倒れそうになってるし」
血液を送り出す心臓のポンプが狂っているみたいにおかしい。