無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



新しいものを夏向が渡してくれる。


「あ、ありがとう……」


変な感じ……。
ここ数ヶ月、まともに会話すらしていなかった相手とこうやって一緒にいることが。



「ついでにゼリーとか買ってきたけど、食べる?」

「た、食べる……」


数時間ぶりに食べ物を口にした。
ゼリーはすんなり食べることができて、あっという間に完食。



「あと他にも冷蔵庫にいろいろ買っといたから」


「あ……、ご、ごめん……お金払う……」


「いーよ。別に大した額じゃないし」


「それじゃ悪い……から」


ベッドから降りて、財布を取ろうと立ち上がろうとしたら、立ちくらみがして



「……っと、あぶな」


夏向に抱きしめられるように支えられる。


近くに感じすぎて、クラクラする……。


この体温が懐かしくて、無性に恋しくて、
離れたくないと思ってしまう……。

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