無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



熱のせいで冷静な思考を失いかけているわたしは、夏向の大きな背中に腕を回してしまう。


「……なーに、俺にどうしてほしいわけ?」


抱きしめ返してなんて言わないから、


あと少しだけ、

こうすることを許してほしい……。



「身体……熱いね」


そのまま夏向の長い腕が、わたしの背中に回ってきて、身体がさらに密着する。



振り切ろうとしていた、夏向への気持ちはこんなにも簡単に揺らいで崩れる。


火照る首筋に、夏向の冷たい指先が触れる。



「ん……やっ……」


甘ったるい声が漏れる。



「……そーやって俺の理性簡単に崩しにくる」


耳元のささやきに、ぞくっとして身体がピクッと跳ねる。



そのまま身体がベッドに倒され、夏向がわたしを組み敷いた。


もうここまできたら、どこでブレーキをかけたらいいのか判断できない。



結局、夏向の言っていたとおり。


こんなにもあっけなく自分から求めてしまう。

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