無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。

気づけば、どちらからでもなく、唇がお互いを求めるように重なった。


優しく、甘く……溶ける。



「……ん、……はぁっ」


苦しくなって顔を横にそむけても、無理やり元に戻され、塞がれたまま。



「……唇まで熱いね」



反対に夏向の唇は冷たくて、とても気持ちがいいなんて、口が裂けても言えない。


瞳にさっきより涙がたまっているせいで、夏向の表情は見えない。



だけど、器用な夏向の指先が優しく涙をそっと拭ってくれる。


甘すぎる体温におかしくなりそう、狂ってしまいそう……。



やっと唇が離れたころには、少しだけ息があがっていた。


もう、矛盾だらけの感情にかき乱されてばかり……。


簡単に唇を許してしまい、夏向を求めるわたしの理性は全然正常じゃない。



「……もっかい」

「も、もうダメ……」


さすがにここで止めないと危ない。