無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
“冬花にしか”なんて……。
夏向は、わたしに何を言ったら自分の言うことを聞くかすべてわかったうえで、うまく揺さぶってくる。
言葉選びってやつが絶妙にうまい。
だけど、残念ながら夏向のように学校をサボることはできっこない。
無断欠席なんて学校から親に連絡されたらそれこそ厄介だ。
わたしの両親は共働きでほとんど家には帰ってこない。
今週、家はわたし一人なので、夏向の家に泊まっても問題はない。
夏向の家も同じように両親は家を空けている。
もちろん夏向とのこんな関係は親には絶対に言えない。
まだ高校生だっていうのに、彼氏でもない男の家に泊まっているなんて。
「学校……ある、から」
「まだ時間あるじゃん」
「準備したいの……。シャワーも浴びたいし」