無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
実際、わたしと夏向の関係は周りから見ればよく一緒にいるけれど、恋人同士ではない。
だけど、明らかに友だちなんて関係でもないことを周りはなんとなく察していると思う。
いちいちそんなこと気にしているのも疲れるので、気にしないふりをして歩いた。
わたしの隣でゆったり歩く夏向には、女子たちの視線も、会話にも気づいていない。
それを証拠にわたしにもたれかかって歩いてくるんだから。
「ちょっと、ちゃんと歩いて」
「……歩くのだるい」
「だからってわたしにもたれかかってこないで」
「だって隣に冬花しかいないし」
こんな光景を彼女に見られたらとか考えないんだろうか。
って……そんな心配をする以前に、それ以上のことをしているから考えても無駄か……。