無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



目を合わせることに限界を感じて、
目をギュッと閉じる。


すると、上からフッと笑い声が聞こえて……。


夏向の指先が、そっとわたしの左耳に触れた。


触れただけかと思えば、耳たぶのあたりを優しくなぞるように触ってくる。



「……そのまま目閉じてて」



言われた通り、ギュウッと力を込めて目をつぶっていると、耳元に違和感を感じた。



しばらく目を閉じたままでいると。



「ん、できた」


「……?」


よくわからず目を開けると、
夏向の顔が思った以上に近くにあって、目が合ってしまったから、目を横に泳がす。



「な、何……したの……っ?」


不自然さ丸出しの話し方で、違和感のある耳元に手を伸ばして驚いた。



「……えっ、」


戸惑って混乱して、さっきまでそらしていた目を夏向に合わせる。

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