無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
胸の奥にある、夏向への気持ちを口に出してしまいそうでこわい。
「遅くなったけど、俺からのプレゼント」
「っ……、ずるいよ、かなたのバカ……っ」
抱きしめられながら、夏向のシャツをギュッと握る。
素直にありがとうなんて言える余裕は、今のわたしにはない。
嬉しい気持ちだってあるけれど、
それよりも、どうしてわたしに同じピアスを贈ってくれたのか……
これじゃ、まるで夏向の特別な子になったみたいに錯覚してしまうから……。
「……ずるいのは冬花も同じ」
「な、何が同じなの……。わたしのこと嫌いなくせに、なのになんでこんなものプレゼントするの……っ!
もう夏向のことわかんないよ……。
きらい……きら……っ」
止まらなかったのに、夏向が無理やり止めるように唇を塞いだ。
無理やりなのに、優しくて……。
「きらいでいいから
俺のものでいてよ……冬花」
想いは矛盾ばかりで
交わらない……。