無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
結局、樹里の手に捕まってしまい、
無理やり着替えさせられた。
青いワンピースに白いエプロンに、
おまけにカチューシャ……。
全身鏡の前に立つ自分に鳥肌が立った。
「ほらー、可愛いじゃない」
樹里は満足そうな顔で言うけれど、
これが可愛かったら世の中終わってる。
「こ、こんな格好で外歩いたら目立つじゃん…!」
「何言ってんの。目立たなきゃ意味ないでしょ。客が来なきゃ売上ないんですけどー?」
「んな、わたし1人に期待しないでよ!」
他の子だって、わたしと一緒で外に出て客引きするんだから、何もわたしにそこまで売上売上って言わなくてもいいじゃん…!
「他の子よりあんたが可愛いから期待してんの。はい、この看板持って」
「うっ……」
プラカードを持たされて、
結局わたしはこの格好で午前中を乗り切るしかない。