無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



仮にも女の子に対してクズ発言をするなんて失礼すぎるけど、


なぜか黒瀬先輩とは似たようなものを感じるせいで、お似合いっていうのは否定できなかったりするかもしれない。



まあ、そんな軽い気持ちで付き合うのをオーケーするほどわたしだって軽い女じゃない……はず。


だから、断り続けているのに、いまだにつきまとってくる厄介な先輩。



「2人ってさー、付き合ってるわけじゃないんだよね?」


黒瀬先輩はわたしを見ながら言ったけれど、答えを夏向に求めているような聞き方だった。


わたしはなんと答えたらいいのかわからないので、横目で夏向のほうを見る。


夏向は表情ひとつ変えずに、だるそうにして何も答えようとはしない。


どうせなら付き合ってないって、はっきり否定してくれればいいものを、肯定もせず否定もしない。



曖昧すぎる関係にため息が漏れそうになったのを抑えながら、付き合ってませんって答えようとした時だった。

< 20 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop