無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
告白
資料室を飛び出したわたしは急いで保健室へと向かう。
校舎の中の人混みはさっきよりもひどくて、
思った以上にうまく前に進むことができない。
人の波をかき分けていると、人混みの中から「あ、アリスだ〜」という声が聞こえてきた。
あっ、しまった。
わたしとんでもない格好してるんだった。
けど今はそんなこと気にしてる場合じゃないか。
そんなどうでもいいことを考えていたら、
保健室の前まで着いていた。
何も考えずに、とにかく夏向が無事でいてほしいという思いしかなくて、扉を開けた。
扉を開けたら、入り口に背中を向けてイスに座っている夏向の後ろ姿が視界に飛び込んできた。
「かなた……っ」
名前を呼びながら、思わずその大きな背中に抱きついてしまった。