無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



ここで、さっき夏向が保健室で口にしたことを思い出す。



『俺の気持ち知らないくせに』


知らないよ、わかんないよ……。
だから教えてくれればいいのに。




「……いやなんだよ。
冬花を好きって認めたくないから」



「い、意味わかんない……」



み、認めたくないって…。
それって好きなの嫌いなのどっち?



「冬花は俺が好きで、俺も冬花を好きだったら付き合うじゃん」


「うん…」


「それがいやだ。だから嫌い」


「意味不明だし…」



理解できないのはわたしだけ?

結局夏向の気持ちはどうなの?



すると、夏向は抱きしめる力を緩めて
わたしの顔を覗き込むように見てくる。



「俺が今どんな気持ちで冬花に触れてるかわかる?」


「わ、わかんない……」

< 222 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop