無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「俺だけでいいって思ってるよ。
冬花に触れるのも、冬花に想われるのも」


「だから、それ矛盾してるって……」



もういい加減にして、と口にする前に、
夏向はさらに驚くことを言ってくる。




「もし付き合ったら、冬花はいつか俺から離れていくから。

……だから、特別な存在とかにしたくない。
今のままでいれば、冬花はずっと俺のそばにいると思ったから」



どこまでも自分勝手。
それじゃ、夏向の気持ちはわたしにあるってことでいいの……?


それとも、わたしを離れさせないために甘い言葉で揺さぶってるだけ?



「離れるなんて勝手に決めつけないで…」


「付き合うって関係が成り立ったら、いつか終わりがくるから」



夏向の今の言葉が妙に重く感じた。

< 223 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop