無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。

不意に腕をかなり強い力で引かれて、
身体ごと先輩のほうへ引き寄せられて。


夏向と繋いでいたはずの手はするりと抜けてしまい……




「……最後くらい、許してね」




チュッとリップ音が鳴って、
柔らかい感触が押し付けられた。



「っ！？」



一瞬、唇に触れたかと思ったけど、
唇の横スレスレ……。ギリギリ外した位置に佑都先輩の唇が当たった。



目を丸くして先輩の顔を見てみれば、
それはもう満足そうに笑いながら。



「ごちそーさまでした。

んじゃ、お2人ともお幸せに〜」



最後はいつもの先輩に戻って、
からかう口調で手を振りながら、わたしたちの前から去っていった。