無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
1人でバカみたいにいろいろ考えていたら、
さっきまで閉じていたはずの夏向の瞳がバッチリ開いていた。
「え……お、起きてたの?」
「……起きてるよ。ってか、眠りそんな深くないし。冬花が部屋に入ってきた時点で意識あったし」
な、なんだと……。
ということは、わたしが夏向の顔をめちゃくちゃ見ていたことも、髪に触れたこともしっかりバレてしまった。
「寝てる時はずいぶん積極的なんだね」
「やっ…これは、べつに……」
あわてて髪に触れている手を引こうとしたけど、夏向が簡単につかむ。
「逃げるのずるくない?」
「ず、ずるくない……っ。
そ、それよりも起きてるなら早く支度して。
遅刻しちゃうから」
このままだとぜったい夏向のペースにはまりそうだから、なんとしてもそれは阻止しなければいけない。