無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「飲みたかったからこっち見てたんじゃないの?」


え、わたしそんな欲しそうな顔で夏向のこと見てたのかな。



「やっ、違うけど。
ていうか、わたしストレートティー苦手だもん」


「へー、なんで?」


「だって苦いもん」


基本的にストレートティーとか、コーヒーとかが苦手。
味がしなかったり、苦いし。



「……ふーん、じゃあ試しにそれ飲んでみなよ。苦くないから」


「うそつき。ぜったい苦いよ」


「苦くないよ、俺はふつーだと思うけど」



ジーッとペットボトルをにらむ。



というか……そもそも、これを口にするとしたら……

ほら、間接キスってやつになるんじゃ…。


って、わたしはまたしても何を考えてるんだ…!


それ以上のことしてるくせに、間接キスで恥ずかしがる自分どうした…!



意識し始めた途端、口をつけるのが恥ずかしくなる。


苦いから飲めないとか、そういう問題じゃなくなってしまった。

< 256 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop