無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「飲みたかったからこっち見てたんじゃないの?」
え、わたしそんな欲しそうな顔で夏向のこと見てたのかな。
「やっ、違うけど。
ていうか、わたしストレートティー苦手だもん」
「へー、なんで?」
「だって苦いもん」
基本的にストレートティーとか、コーヒーとかが苦手。
味がしなかったり、苦いし。
「……ふーん、じゃあ試しにそれ飲んでみなよ。苦くないから」
「うそつき。ぜったい苦いよ」
「苦くないよ、俺はふつーだと思うけど」
ジーッとペットボトルをにらむ。
というか……そもそも、これを口にするとしたら……
ほら、間接キスってやつになるんじゃ…。
って、わたしはまたしても何を考えてるんだ…!
それ以上のことしてるくせに、間接キスで恥ずかしがる自分どうした…!
意識し始めた途端、口をつけるのが恥ずかしくなる。
苦いから飲めないとか、そういう問題じゃなくなってしまった。