無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「よし、じゃあまずはお名前聞いてもいい?」


「んーとね、ぼくはね、おそら!」

真上を指差しながら楽しそうに話している。



「お、おそら?」


小さい子と話すのってとても難しい。

まさかおそらくんって名前なわけないだろうし…。



わたしがはてなマークを頭に浮かべていると、
隣にいた夏向が助け舟を出してくれた。



「そらって名前なんじゃない?」


「え、あっそういうこと?」


「ぼくはね、おそらと同じ名前なんだ〜」


なるほど。
じゃあ漢字で書くと空くんっていうのかな?



「空くんってかっこいい名前だね!」


「うん、ぼくかっこいいんだ〜」


自分でかっこいいって言っちゃうあたりが子どもらしくて可愛いなぁ。



「おねえちゃんおなまえは?」


「あっ、わたしはね"ふゆか"って名前だよ。
呼びにくかったらお姉ちゃんでも大丈夫だよ?」

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