無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
髪を横にひとつでまとめて、スーツ姿に高いヒールを履いて、まるでわたしのお母さんみたいなキャリアウーマンって感じの人。
「あ〜、ママ〜!」
どうやら空くんのお母さんらしい。
「無事でよかった…。
久しぶりにお仕事早く終わったからお家に帰って来たら空がいないからママ心配したのよ…っ」
すると、夏向が空くんを下ろして、空くんはそのままお母さんのほうへ駆け寄りギュッと抱きついていた。
「きょうおしごとはやくおわったの〜?」
「そうよ。いつもごめんね、空が寝てる間にしか帰ってこれなくて。1人にさせてばかりでごめんね…っ」
本当に心配していたのがよくわかる。
お母さんは少し涙ぐみながら、空くんを抱きしめながら安堵の表情を浮かべているから。
すると、空くんのお母さんがわたしたちに視線を移した。