無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
出会い
そもそも、わたしと夏向との、この歪んだ関係が成り立ってしまったのは、さかのぼること1年前のことになる。
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高校1年の夏休み中。
日付は8月20日。
この日は、わたしの16歳の誕生日。
日付が変わった12時に、たくさんのお祝いのメッセージがスマホに届いた。
休み期間中なので、直接お祝いしてもらえないのは仕方ない。
今日1日、何もする気が起きず、ずっと部屋にこもっていた。
今は、気づけば夜の9時を過ぎていた。
自分の部屋のベッドに寝転びながら、今日スマホに届いたメッセージをスクロールさせて見返す。
電気もつけず、暗闇でスマホの光を見ているので、少し目が痛い。
今日1日、誰かに会うこともなく、誰からも直接お祝いの言葉をもらっていない。