無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
まだ濡れている髪をタオルでドライしながら、夏向の部屋へと入る。
「……遅い、待ちくたびれた」
「だっていつもこれくらいかかるもん」
わたしを待っている間、ベッドに寝転んでスマホのゲームをしていたみたい。
「しかも髪まだ濡れてるし」
すると、夏向が部屋から出て行き、数分してドライヤーを手に持ってこちらにやってきた。
「ん、おいで。
俺が乾かしてあげるから」
「えっ、いいよ自分でやる」
「いいから、俺がやりたいの」
「えぇ…」
こうして夏向に髪を乾かしてもらうことになった。
ドライヤーの大きな音が聞こえたと同時に、暖かい風が髪にあたる。
ブラシを使いながら、丁寧に乾かしてくれる。
人に髪を乾かしてもらうのなんて滅多にないけど、結構気持ちがいい。