無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「髪、すごい伸びたね」
わたしの髪を触りながら、夏向が言う。
「だって、夏向が長いほうが好きだって言うから」
「うん、冬花の長くて綺麗な髪好きだよ」
わたしはいつだって夏向を基準にしているから、こんな簡単な言葉に、ころっと落ちてしまう。
これでもし夏向が坊主が好きだとか言ったら本気だ坊主にしちゃいそうな自分がいそう。
さすがにそこまではしないか。
「なんかさー、いいねこーゆーの」
「え?」
「冬花の髪から俺の匂いするって。
こーゆーの男からしたらたまんないんだよ」
うるさいドライヤーの音が止まり、急にガバッと後ろから抱きしめられた。
「か、かなた?」
「あー……抱きしめたらやばい。
俺のものって感じがして、すぐ理性死ぬ」
そのままふわっと身体を抱き上げられて、部屋の電気を消して、ベッドに下された。