無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「幼稚園児みたいなキスじゃん」
「い、いいでしょ、ちゃんとしたんだから」
もうこれで勘弁してほしい。
今のわたしにはこれが限界。
「もっと深いのがよかった」
「も、文句言わないで…!ほ、ほら寝よ!」
「えー、もうこれでおわり?」
「お、おわり…だよ」
服の上から、夏向の手が身体に触れてくる。
「あーあ、つまんない」
「つ、つまんなくない。
わたしは夏向とこうやってそばにいるだけで満足だもん」
すると夏向の手がピタッと止まって。
ギュウッと抱きしめながら。
「またそーやって可愛いこと言って。
煽ってるって自覚してんの?」
少しだけ夏向の声が余裕がなさそうに聞こえる。
「……ほんと、冬花の可愛さって底が見えない」
抱きしめ方が本当に大切に優しく抱きしめてくれてるような気がして幸せな気持ちになる。
きっとそれは相手が夏向だから。
そして、この日の夜は、お互いそのまま眠りについて、翌朝を迎えた。