無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
『冬花は16歳になったらお嫁さんにいける歳になるんだなー。パパは冬花がお嫁さんにいったら悲しいぞー』
『やだ、パパってば冬花はまだ6歳よ?気が早いわよ』
『いやー、10年なんてあっという間だよ。冬花は将来パパと結婚するんだもんなー?』
『どんな子に育つか楽しみね』
『冬花の16歳の誕生日は盛大にお祝いしないとな』
『ふふっ、そうね』
あぁ……嫌な記憶がよみがえった。
10年も前の、両親の会話がこんなにも鮮明に残っているなんて。
この会話から10年経った今日。
わたしの周りにいた温かくて優しい笑顔で笑いかけてくれていた両親はいない。
2人とも今ではわたしの存在なんかないものとして見ていると思う。