無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「ってか、俺のことはいいから冬花の買いたいもの買っていいよ」


それができたら苦労しないんだよ…と思いながら雑貨屋さんをあとにした。



そのあとショッピングモール内をぐるぐる回ったけれど、夏向の欲しそうなものは見つからず。



クリスマスシーズンということで、どこのお店も内装や商品がクリスマスをもとにしたものが多かった。



結局、何も買うこともリサーチすることもできず…。

今はショッピングモールを出て、家の近くの最寄の駅を目指して電車に揺られているところ。




「はぁ……」


思わずため息が漏れてしまった。


ってか、わたしほんとに情けないな…。
夏向の欲しいものひとつわからないなんて。



もともと夏向はあんまり自分のことを話したがらないタイプ。2人でいるときはいつもわたしが喋ってばかり。

< 292 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop