無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
すると、わたしが返信する前に、画面に新たなメッセージが表示された。
『さびしいから』
……自分勝手。
いつも、いつも、夏向は自分の気分次第でわたしを呼びつけてくる。
そして、夏向のずるいところは、
わたしが、自分の元に来ると、確信をもっているところ——。
既読をつけたまま返信せずに、わたしは、ある場所へ向かった。
***
学校から、徒歩10分。
住宅街に入り、目的の家の目の前についた。
インターホンなんか鳴らさずに、玄関の扉に手をかける。
鍵はかかっていなくて、ガチャッと音を立てて、扉が開いた。
このご時世、なんて不用心なんだと思う。
家の中は電気はついていなくて暗い。
無駄に広い家には冷え切った空気が流れている。