無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
気づけば小学校の入学式以来、両親が学校の行事に来てくれた記憶はない。
入学式や卒業式だけは、お父さん方のおばあちゃんが出席してくれていた。
小さい頃は毎日家に家政婦さんが来て、わたしの身の回りの世話をしてくれていた。
高校に入学してからは、1人で大丈夫だと両親に伝えて、今は身の回りのことは自分でやるようになった。
正直、自分の世話を家族以外の人にやってもらうことに抵抗があった。
変に気を使って疲れるし。
寝ていた身体を起こし、リビングに向かうと、冷え切った空気が流れていて、明かりなんてものはない。
電気をつけて、テーブルの上に雑に置かれた現金が目に入る。
これを見るたびに、こっちがどれだけ虚しい気持ちに襲われるのか考えたことあるんだろうか。
きっと、わたしが今日部屋にこもっている間にお母さんが帰ってきて、置いて行ったに違いない。