無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
***
「じゃあ、今からケーキ作ろっか」
今回は夏向の部屋ではなく、リビングに通してもらい、大きなダイニングテーブルの上に必要な材料を並べる。
夏向のご希望どおり、サンタとトナカイの砂糖菓子もちゃんと買ってきた。
「ケーキなんて作ったことないから作り方わかんない。俺食べる係がいい」
「えぇ、それじゃダメだよ。やり方教えるからいっしょに作ろうよ」
まあ、作るっていうか、デコレーションするって感じだけども。
さすがにスポンジケーキを作る工程から始めると時間がかかるので、とりあえずスポンジケーキは市販のものを買ってきた。
やることといえば、生クリームを泡立て器で混ぜて、ケーキに塗って、イチゴ切ってのせるくらい。
「じゃあ夏向はまだ何もしなくていいよ。生クリームはわたしが作るから」
ボールに生クリームをうつして、グラニュー糖を入れて、氷水で冷やしながら混ぜる。