無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



こんなお金なんていくらあってもいらない。


娘の誕生日に現金だけを置いて、おめでとうのひと言も残していかない、無神経な両親に無性に腹が立った。



別にお祝いなんてしてくれなくていいから、せめて自分の誕生日くらいは覚えていてほしかったと……。



なんだか、この家の空気を吸うのが嫌になり、気づけば家を飛び出していた。



外は夜だっていうのに、暑さが抜けず、むしむしとしている。



そんな中、歩いて15分。

子供の頃よく遊んでいた小さな公園にやってきた。



一番最後にここに来たのは小学校の時。



遊具とか目に見える景色は、小さい頃見た景色とそんなに変ってはいない。


ただ遊具の色が剥げていたり、さびていて、さわると鉄くさい。



懐かしい気持ちになりながら、そばにあったブランコに座ると、ギイッとさびれた音がした。


地面を少し蹴ると、身体がふわっと揺れる。

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