無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
ヤキモチ
季節は相変わらず寒さが続く冬の2月中旬。
とある日の休日。
わたしはあるものを作るために、家のキッチンに立っていた。
ちなみに、助っ人として樹里が遊びに来てくれている。
「んー、なかなか固まらない…。生クリームの分量が多かったのかな」
「冬花ってさ、ふだん料理してるからなんでも作れるのかと思ったらお菓子とかまったくダメなんだねー」
ボールとにらめっこをしているわたしに、樹里がやれやれという感じで言ってくる。
「お菓子作りなんて小学校のバレンタイン以来だよ…」
「けどクリスマスは木咲くんとケーキ作ったんでしょ?」
「あれは、生クリーム泡立てたくらいだし」
「ほーう、これじゃ他の女子たちに敗北しそうだねぇ」
「うぬ……」
今わたしが何を作っているのかというと……
数日後に迫ったバレンタインにむけて、夏向に渡すチョコレートを作っている。