無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
たぶん、この子たちだけじゃないだろうな。
ってか、やっぱり夏向は今日学校に来ていないんだ。
するとタイミングよくスカートに入っているスマホが音を鳴らした。
夏向からの着信。
「も、もしもし?」
『授業終わった?』
「うん、もう終わったよ」
『じゃあ今から俺の家来てよ』
「今日学校に来てないの?」
『うん、いろいろめんどいからサボった』
いろいろめんどいとは…やっぱりバレンタインが面倒だっていうこと?
もしかして、夏向にとってバレンタインってやつは迷惑で、チョコなんて欲しくない…とか。
張り切ってチョコを作ったことを少しだけ後悔する。
通話中だっていうことを忘れて黙り込んでいると。
『冬花?』
「……あ、ごめん。じゃあ今からいくね」
あわてて電話を切った。