無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「まあ、無理に言わせるつもりないけ……」


「きょ、今日……」


夏向が話している途中だったのに遮った。



「ん?」


「今日……なんで学校来なかったの」



夏向が学校をサボるなんて珍しいことじゃない。

だけど今日はバレンタインが面倒だから学校をサボったような気がするから。



「うーん、面倒だから?
今日バレンタインだし。去年行ったらすげー面倒なことになったから」



ほら、やっぱり……。

不安は的中した。



わたしだけが張り切って準備して。

だけど夏向にとっては、それは面倒ごとでしかなくて。



温度差を感じて虚しくなって、涙が出そうになる。



わたしってこんなに涙もろかったっけ…?


やだな、ここで泣いたら不自然さしかない。




「ごめん…今日は帰る……っ」


パッとその場から立ち上がり、カバンを持って部屋を出ようとしたけど。

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