無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「バレンタインが嫌いなのはたしかだけど。
彼女からもらえるんだったらいやなわけないじゃん」
「……へっ?」
「冬花はもっと自覚持って
俺こんなに冬花でいっぱいなんだよ。他の子なんてどーでもいいんだよ」
「わたしだって、夏向でいっぱいだもん…」
恥ずかしさをごまかすために、ギュウッと夏向の身体に抱きつく。
「バレンタインだって、ほんとは冬花からもらえるか期待してたんだよ」
「え…そうなの…?」
「そりゃーね。だから家に呼んだのに。
それなのに不安そうな顔して泣き出して、帰るっていうから」
「だって、その前に夏向がバレンタイン面倒だっていうから……」
「それは冬花以外の子のこと言ってるだけ。
ねー、それより早く俺にチョコちょーだいよ」
いったん身体を離してもらい、カバンの中に入っているチョコを夏向に渡した。