無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



わたしたちがこんなやり取りをしていると、夏向がむすっとした顔をして。



「早く帰りたい。もういいでしょ、コイツにお礼言えたんだから」



「おいおい木咲くん、俺これでもキミの先輩なんだけどなー?」



2人とも前と変わらず相性が悪い。

というか、夏向の口の利き方が悪いのかな。



「さっさと卒業して冬花のこと忘れてくださいセンパイ」


「おー、相変わらず独占欲強いねー」



すると、先輩が何かを思い出したように手をポンっと叩いて、イタズラを企んでいる顔をしながら。




「あ、そーだ冬花ちゃん」


「なんですか?」



「俺がプレゼントしたクマは今もまだ大切にしてくれてる?」


「あ…、それならちゃんと大切にベッドのそばに置いてますよ」



だいぶ前に先輩からもらったクマのぬいぐるみは、ベッドのそばに置いていたり、たまに抱きしめて眠ったりしている。

< 331 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop