無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
わたしたちがこんなやり取りをしていると、夏向がむすっとした顔をして。
「早く帰りたい。もういいでしょ、コイツにお礼言えたんだから」
「おいおい木咲くん、俺これでもキミの先輩なんだけどなー?」
2人とも前と変わらず相性が悪い。
というか、夏向の口の利き方が悪いのかな。
「さっさと卒業して冬花のこと忘れてくださいセンパイ」
「おー、相変わらず独占欲強いねー」
すると、先輩が何かを思い出したように手をポンっと叩いて、イタズラを企んでいる顔をしながら。
「あ、そーだ冬花ちゃん」
「なんですか?」
「俺がプレゼントしたクマは今もまだ大切にしてくれてる?」
「あ…、それならちゃんと大切にベッドのそばに置いてますよ」
だいぶ前に先輩からもらったクマのぬいぐるみは、ベッドのそばに置いていたり、たまに抱きしめて眠ったりしている。