無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
「へー、そっかそっか。それならよかったよ」
わたしに向けて言っているはずなのに、なぜか夏向のほうを見て言っているような…。
「まあ、俺はこれで卒業して冬花ちゃんに会えなくなっちゃうけど。さびしかったらいつでも呼んでよ」
「いや、それはだいじょ……わっ!!」
後ろから強引に夏向にガバッと抱きしめられた。
「冬花は俺のなんで、口説くのやめてもらえません?」
「うおー、顔怖いよ。仕方ないなぁ、これ以上怒らせると冬花ちゃんが後で大変なことになるから、このへんにしといてあげるかー」
「……?」
「じゃあ2人ともこれからもお幸せにね」
わたしたちのほうに背中を向けて、手をひらひらと振っている先輩の後ろ姿を見て。
「佑都先輩……っ!
ほ、本当にありがとうございました……っ!」
今さらだけど、心を込めてお礼を言って、先輩の背中を見送った。