無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
ちなみにここはわたしの家ではない。
人様の家に勝手に入るのってどうなの?って思われるかもしれない。
だけど、その心配はいらない。
だってここは、さっきメッセージを送りつけてきた夏向の家だから。
靴を脱いで、玄関のすぐそばにある階段をのぼり、一番奥の部屋の扉を開けた。
中は薄暗い。
少し奥に目を向けると、ベッドに寝転んで、スマホを横の画面にして、ゲームをしている夏向の姿を見つけた。
「あー、また負けた」
飽きたような声が聞こえた。
最近はまっているゲームに負けた様子。
今日は平日で、ふつうの学生は学校に行く日だっていうのに、夏向はサボって家でゲームをしている。
学校に行くのは気が向いた時だけ。
そのくせ生まれつきの才能なのか知らないけど、授業を受けていないくせに、それなりに上位の成績をキープしているところが気に食わない。
わたしは毎日ちゃんと授業を受けて課題をやっているっていうのに。