無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
優しさ
あれから、夏向はわたしに何もすることなくその場をあとにした。
わたしはお昼休み中に教室に戻ることができず、5時間目の授業が始まってしまい、サボることを選んだ。
6時間目が始まる前に教室に戻ってみれば、樹里が「なんかいろいろあったみたいねー」とわたしを見ながら全て悟ったような言い方をしていた。
そして残りの1時間の授業を受けて、ようやく放課後になった。
結局、夏向に無理やり着させられたカーディガンは今はもう脱いだ。
そのまま帰る準備を終えて帰ろうとした時だった。
「あのさー、このクラスに鈴本冬花って子いる?」
前の扉のほうからかなり大きな声でわたしの名前を呼ぶ女の人の声。
視線をちらっと向けてみれば、派手な見た目をした3人の女子たち。
まだクラスに残っていた生徒たちの視線が一気にわたしのほうに集まる。