無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
グッと力を込めて、まるで握りつぶすかのように佑都先輩が由佳先輩の手をつかんでいるのがわかる。
「文句あるなら俺に言うのが筋ってもんでしょ。こういうやり方する女ってほんとくだらないよね」
つかんでいた手を思いっきり、雑に振りほどいた。
まさか、この場面で助けに来てくれるとは思ってもいなかった。
正直すごく怖かった。
理性を失って、自分しか見えていない状態の人なんて滅多にいないから、そんな相手にぶたれたら……なんて思うとゾッとする。
恐怖から抜け出し安心したのか、身体の力が急にへにゃっと抜けてしまい、地面に座り込んでしまった。
そんなわたしの元に、佑都先輩がゆっくり近づいてきて、目線を合わせるためにかがんだ。
そして、優しく頭を撫でながら。
「怖かったね。
もう俺がきたから大丈夫だよ」
━━その声を聞いて、涙がぽろっと落ちた。