無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
しっかり目があったかと思えば、佑都先輩の視線はわたしの顔より少し下に落ちた。
「あー、でもここは傷つけられちゃったね」
首筋にかかるわたしの髪の毛をスッとどかして、指をさした。
「これ、木咲くんの仕業?」
ハッとした。
しまった……。
お昼休みに夏向につけられたものを、
隠し忘れていた。
「まあ、冬花ちゃんがこんなこと許すのは木咲くんしかいないよねー。
悪い子だねー、彼氏がいるのにほかの男にこんな跡残されて」
佑都先輩の指先がわたしの首元に触れて、紅く跡が残っている場所に爪を立てた。
「い、痛い……です」
「んー?痛がってる顔も可愛いね」
人が痛がってる様子を笑顔で見てるあたり、相当おかしいというか、狂ってるようにしか思えない。
佑都先輩って、わたしが想像してる以上にやばい人なのかもしれない。
「さすがにこんなことされたら妬いちゃうなー。これ、俺が上書きしちゃおうか?」