きみの優しさはたまに私を傷つける
大きめのブラウスに袖を通して、鏡の前で深く深呼吸する。今日から私は高校生になる。鏡の前でセミロングまで伸びた髪をくしでとかしながらどんな髪型にしようか考える。昔から優柔不断な性格なのだ。結局ポニーテールにすることに決めて時計を見る。電車の発車時間まで20分をきっていた。思わず「やば!」と声を出して急いで外に飛び出した。
駅までは自転車で、15分急げば間に合う距離だ。
急いで駅に向かった。

小走りで階段を降りるとまだ電車がある。(間に合った.......!)と思いドアの前に着いた途端に、アナウンスが鳴った。やばい乗り遅れる。そう思った瞬間腕を掴まれら電車に引き込まれた。驚いてして顔を上げると同じ学校の制服を着た男の子が目の前にたっていた。彼は「危なかったね」と私に言った。一瞬のことで驚いた私は「ありがとうございます」一言告げるのがやっとだった。「どういたしまして」と微笑んできた彼にドキッとした。バクバクと心臓の音が聞こえる 。違う、急いできたから疲れてるんだと自分に言い聞かせる。
なんだか、様子のおかしい自分にどうしたらいいのか分からなくなって無言のまま駅に到着した。

校門を通ってあたりを見渡す。同じ1年生らしき、人だかりを見つけた。その人だかりにはクラスの表が張り出されていた。1組から順番に自分の名前を探す。(あった.......。4組。)4組と書いてある下駄箱に向かって歩く。(どんなクラスなんだろ。)と期待しつつ上履きに履き替えた。そのときふと、彼のことを思い出した。(何組なんだろう.......)そう考え長い廊下を歩いた。
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