夕闇の時計店
「じゃあ気を付けて。いってらっしゃい」
「うん!行ってきます!」
掃除の行き届いている家を出ると、春の暖かな陽を感じた。
わくわくした気持ちと合わさって、寝起きの怠さは消えていた。
再度住所を確認して歩き出す。
楽しみだなぁ。どんな人が働いてるんだろう。おじいさんかな?
あれやこれやと考えながら、20分ほどで目的地に着いた。
「…………」
実際に見てみると、商店街の賑わいから離れた荘厳な建物の外観は暗い印象を受けた。
入るの勇気が要るなぁ。
写真は日が沈む時間で綺麗に見えていたのだろう。
今目の前にある建物は、どちらかというと好奇心を揺さぶられることはなく、恐い。
そもそも商い中という札が扉にかかっているだけで中の様子は伺えず、札に気づかなければ閉まっているものと勘違いしてしまいそうだ。
中に居るであろう店主は気難しく厳しい人柄かもしれないと勝手に思ってしまう。
でも、ここまで来て引き下がりたくない。
微かに残る好奇心と修理をお願いしたい時計があるから、私は緋瀬時計店の扉を開いた。
「うん!行ってきます!」
掃除の行き届いている家を出ると、春の暖かな陽を感じた。
わくわくした気持ちと合わさって、寝起きの怠さは消えていた。
再度住所を確認して歩き出す。
楽しみだなぁ。どんな人が働いてるんだろう。おじいさんかな?
あれやこれやと考えながら、20分ほどで目的地に着いた。
「…………」
実際に見てみると、商店街の賑わいから離れた荘厳な建物の外観は暗い印象を受けた。
入るの勇気が要るなぁ。
写真は日が沈む時間で綺麗に見えていたのだろう。
今目の前にある建物は、どちらかというと好奇心を揺さぶられることはなく、恐い。
そもそも商い中という札が扉にかかっているだけで中の様子は伺えず、札に気づかなければ閉まっているものと勘違いしてしまいそうだ。
中に居るであろう店主は気難しく厳しい人柄かもしれないと勝手に思ってしまう。
でも、ここまで来て引き下がりたくない。
微かに残る好奇心と修理をお願いしたい時計があるから、私は緋瀬時計店の扉を開いた。