夕闇の時計店
「今、何時だ……?」

「あぁぁ……どうしよう緋瀬さん!」

父は仕事の帰りが遅いから、いつも夕暮れまで時計店で過ごしていたが今日はさすがにマズい。

お父さん絶対に心配してる……!

「22時か……急いで帰るぞ」

「はい!」

時計店に戻ったら真っ先に父へ連絡して、そのあとで着替えてから帰ろうと思い、学校の制服を取りに行き、抱えた。

「こっちだ」

玄関に戻り、外へ出る。

ぐるりと庭へ向かう途中で木製のドアがあった。

緋瀬さんがドアノブを回し、開く。

暗闇が広がる。

緋瀬さんのあとについて暗闇へ進んだ。

ガチャッ……と後ろでドアが閉まる音がした。

「わっ」

広い背中に頭をぶつけた。

「すまん。電気つけるな」
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