夕闇の時計店
☆episode1☆
-気になる人-
☆episode1☆
-気になる人-
カランカラン……
「いらっしゃい」
規則正しい時計の音が響く薄暗い店内、奥からの静かな声。
「緋瀬さん、こんにちは!」
「また来たのか……物好きだな」
喜々として挨拶をした私に対してぶっきらぼうに応じたのは、店主の緋瀬さん。
少し長めの黒髪に切れ長の目、無愛想だけど笑顔が素敵で優しい男性。
ひと月前に時計の修理をした際に知り合ってから、何かと理由を作って会いに来ている。
時計に興味がある、父親へのプレゼントを考えたい……など。
会いに来るきっかけにした用事が済んでも、日が暮れるまで長い時間一緒に過ごしていた。
「まぁ、ゆっくりしていってくれ」
緋瀬さんがカウンターテーブルの奥に視線を移した。
店内と隔てている長い暖簾の向こうにはこじんまりとした奥座敷がある。
-気になる人-
カランカラン……
「いらっしゃい」
規則正しい時計の音が響く薄暗い店内、奥からの静かな声。
「緋瀬さん、こんにちは!」
「また来たのか……物好きだな」
喜々として挨拶をした私に対してぶっきらぼうに応じたのは、店主の緋瀬さん。
少し長めの黒髪に切れ長の目、無愛想だけど笑顔が素敵で優しい男性。
ひと月前に時計の修理をした際に知り合ってから、何かと理由を作って会いに来ている。
時計に興味がある、父親へのプレゼントを考えたい……など。
会いに来るきっかけにした用事が済んでも、日が暮れるまで長い時間一緒に過ごしていた。
「まぁ、ゆっくりしていってくれ」
緋瀬さんがカウンターテーブルの奥に視線を移した。
店内と隔てている長い暖簾の向こうにはこじんまりとした奥座敷がある。