転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
それから、皇妃とヴィオラとリヒャルトの三人で昼食を一緒に取ることが増えた。二人とも最初は遠慮していたけれど、途中からセスとニイファも加わって、五人でのんびり過ごす。
たいてい、満月宮の中庭に敷物をしいてのピクニックだ。風が冷たい日は、日光がぽかぽかと差し込んでいるサンルームでヴィオラの持参したバスケットを広げることもある。
今日、ヴィオラが用意したのはおにぎりだ。バスケットから取り出した木の箱に綺麗な紙を敷き、そこに三角形に握ったおにぎりを並べた。
「なんだ、これは?」
「こういう黒い食べ物を見るのは初めてですね……」
箱の中身に目をやった皇妃はぱっと明るい表情になったけれど、リヒャルトとセスは怪訝な表情だ。セスなど言葉にはしていないけれど、顔には『本当に食べられるのか』としっかり書いてある。
「皇妃様が、出入りの商人から海苔を入手してくださったので、おにぎりを作りました。黒いのは『海苔』という海藻です」
鍋で米を炊くことに成功したので、今日のお弁当はおにぎり弁当だ。
「おにぎりの具は、肉味噌です。豚のひき肉を、お味噌で味付けしてあります」
クルミで食感を足し、ニンニクと、数種類のハーブで肉の臭み取りと香り付けをしてある。少し甘みの強い味だが、ご飯ととてもよく合う味に仕上がった。
「ん? 味噌は騎士団にしかなかったと思うんだが。買ったのか?」
「ちょっと分けてくださいってお願いしたら分けてくれました!」
市場に買いに行くと、一度に大量に買わなければならない。味噌を分けてもらう代わりに、今日のおにぎりに入っている肉味噌のレシピを教えてある。
梅干しが見つかれば梅干し入りのおにぎりも作ってみたかったけれど、帝国内では今のところ流通していないみたいだ。
たいてい、満月宮の中庭に敷物をしいてのピクニックだ。風が冷たい日は、日光がぽかぽかと差し込んでいるサンルームでヴィオラの持参したバスケットを広げることもある。
今日、ヴィオラが用意したのはおにぎりだ。バスケットから取り出した木の箱に綺麗な紙を敷き、そこに三角形に握ったおにぎりを並べた。
「なんだ、これは?」
「こういう黒い食べ物を見るのは初めてですね……」
箱の中身に目をやった皇妃はぱっと明るい表情になったけれど、リヒャルトとセスは怪訝な表情だ。セスなど言葉にはしていないけれど、顔には『本当に食べられるのか』としっかり書いてある。
「皇妃様が、出入りの商人から海苔を入手してくださったので、おにぎりを作りました。黒いのは『海苔』という海藻です」
鍋で米を炊くことに成功したので、今日のお弁当はおにぎり弁当だ。
「おにぎりの具は、肉味噌です。豚のひき肉を、お味噌で味付けしてあります」
クルミで食感を足し、ニンニクと、数種類のハーブで肉の臭み取りと香り付けをしてある。少し甘みの強い味だが、ご飯ととてもよく合う味に仕上がった。
「ん? 味噌は騎士団にしかなかったと思うんだが。買ったのか?」
「ちょっと分けてくださいってお願いしたら分けてくれました!」
市場に買いに行くと、一度に大量に買わなければならない。味噌を分けてもらう代わりに、今日のおにぎりに入っている肉味噌のレシピを教えてある。
梅干しが見つかれば梅干し入りのおにぎりも作ってみたかったけれど、帝国内では今のところ流通していないみたいだ。