転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
「あら、懐かしいこと。リヒャルト、あなたもひとついただきなさい」

　以前よりも皇妃の表情も柔らかくなっている。やっぱり皇妃はおにぎりの存在も知っていたみたいだ。

「こちらの箱は、鶏の唐揚げと卵焼きです。お野菜も食べてくださいね」

　なんと、この世界にはマヨネーズが存在していた。お弁当の色どりに入れたのは、ニンジンやズッキーニ、数種類の葉物野菜を蒸したものだ。

　この国にはマヨネーズが存在していたので、マヨネーズと味噌で作ったソースをかけて食べるように準備してきた。

　皇妃以外の人はおにぎりが苦手かもしれないと思って、今日はもう一種類用意してある。

「こっちはハンバーガーっていいます。リヒャルト様とセスは、こっちの方がおいしいかも？」

　ヴィオラの手は小さいので、厨房のパン職人に頼んで小さめに焼いてもらった丸パン。そのパンにトマトソースをかけたハンバーグとチーズ、レタスに似た野菜を挟んである。

「おにぎりもいただきますよ。ヴィオラ様の料理は珍しい味付けですからね」

「セス、真っ先に手を出すな。俺を待てとは言わないから、せめて母上を待て」

「し、失礼しました！」

　皇妃より先にセスがおにぎりを取り上げようとしたので、リヒャルトがその手を止めた。

「私が食べたのは、中には何も入ってなかったと思うけど、こうやって具が入っているのもおいしいわね」

　皇妃の友達は、塩むすびを食べていたようだと頭の隅に記録する。

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